2017年2月21日火曜日

復興へと向かう一歩(仮完成)

Hope+が本日益城に取材に出かけていきました。
3年(14)秋山、児玉、塘添、塚田の4人。
成果が、色々とあったようです。

Coho'zuの本の原稿が完成し、サンプル版作製のための仮入稿を終えました。
大変長い道のりでした。
23日(木)午後、書籍のサンプルが届く予定です。それから最終チェック!


この書籍は、冒頭を次の文章で始めています。

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平成28年熊本地震 復興へと向かう一歩~大津町22名の取材記録
はじめに
本書は熊本県菊池郡大津町の人々の震災についての記憶の記録です。大津町は、「平成28年熊本地震」の震源に近い地域です。甚大な被害をもたらした地震からの復興に向け、大津町の人々はどう行動し、その時、何を考えていたのかを中心に取材し、オーラル・ヒストリーとして語っていただきました。それを本書には綴っています。

 なぜ、私たち大学研究室のメンバーが大津町について、こうした震災の記憶を記録としてまとめることになったのか、その事情は次のようなことでした。

 大学研究室は、4月になると、メンバーのほとんどが入れ替わり、全く新しい体制となります。平成28年4月、熊本県立大学津曲研究室の新メンバーは、課題を持ち、それぞれの取り組みを開始しようとしていました。その中のチームのひとつにCoho’zuがありました。津曲研究室の4年生3人(飯沼・上田・多賀)で構成されたチームです。このチームは、熊本県立大学「学生GP制度」の下、大津町と連携し、町の広報紙が持つ課題について、卒業研究として取り組むことになっていました。チーム名は、広報紙と大津町の読みを参考に命名したものです。Coho’zuは、課題に取り組むため、先行事例の調査、文献調査を始めようとしていました。その矢先、平成28年熊本地震が発生しました。

 熊本地震によって、新しい年度が始まったばかりの県内は大混乱となりました。被害が集中した益城町の混乱は特にひどかったのではないかと思います。大津町は、益城町に隣接する自治体です。強い揺れは大津町全体にも被害をもたらし、特に、役場庁舎は甚大な被害を受け、使用できなくなりました。役場の日常は4月14日以降、一変しました。この混乱で、役場とCoho’zuとの当初の連携は自然消滅したのでした。

 当初の連携は無くなったものの、私たちに出来ることはないだろうかと学生たちと考えました。何ができるのだろうか、必死に考えました。ボランティアとして活動することも一つの選択肢でした。本書で取材した大学生が、「何かをやらなければ」との衝動に突き動かされ、ボランティアとして行動したように、震災後、大学生の多くが災害ボランティアへと参加しました。Coho’zuのメンバーもそれらの中の一人でした。緊急時、具体的に行動することの大切さは改めて言うまでもないことです。しかし、震源に近い大学に身をおく私たちとしては、それだけで良いのかとも考えたのです。大学で学んできた経験を生かして行動することも大事なことではないかと、そう考えました。

 震災という初めて体験する緊迫した状況の中で、熱狂からあえて距離をおき、冷静になって自分たちが出来ることを考えた結果、辿り着いたのが、震災の記憶を記録として残していくことでした。参考にしたのが、東京大学社会科学研究所(以下、東大社研)の岩手県釜石市での調査でした。調査結果の概要は、「釜石と震災、もう一つの記憶」とのサブタイトルがついた「〈持ち場〉の希望学」として刊行されました。この書物は、東日本大震災の際、釜石市の人々が何を考え、どう行動したのかを記録したものです。津曲研究室では、「希望学」という領域としてこの書物を事前に学んでいました。

 記憶は比較的短い間に曖昧になる、あるいは変容していきます。熊本地震において大津町ではどういったことが起き、そして大津町の人たちは震災という突然の災難にどう向き合い、そしてその困難からどう立ち上がろうとしてきたのか、そういったことを記録しておくことは、取材や調査の方法を多少なりとも経験してきた津曲研究室だからこそ実行できることではないかと考えました。また今回のように大規模な現象に対する取材とその記録化には膨大な時間を要します。時間という制約のため、実行するのは一般には非常に難しいものです。しかし、それでは震災の記憶を風化させてしまいかねません。今回の震災についての記憶が消えてしまうのは、地域にとっての貴重な財産を失うのと同じではないかと思いました。震災の記憶はどうにかして記録として残していくべきだろうと考えました。調査に、かなりの時間を要する活動です。私たちは、こうした地道な活動こそ、大学の研究室にできるボランティアだと思いました。

 そこまで考えたところで、私たちは行動を開始しました。準備段階を経て、平成28年8月から平成29年1月にかけCoho’zu は22名の取材を行いました。延べ30時間以上に及ぶ音声記録から文字起こしした量は32万文字に達し、A4用紙で350枚ほどになりました。

 本書は半年間かけて取材した記録を整理し、まとめたものです。大津町22名の皆さんが熊本地震の際に何を思い、どう行動し、復興に向けてどうやってきたのか、その思考や行動の記録となっています。22名と限定された方々ではありますが、震災の困難を乗り越えようとした人々の行動から様々な教訓を読み取ることができるかと思います。震災の記憶を継承し、大津町の未来へとつなげていくための貴重な資料の一つにもなるものと考えています

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