2014年4月27日日曜日

プレイフルな状態を作りだすひとつの方法/社会人になってからこそ学びへ

久々に1日何もない日を過ごしています。
日曜午前中はいつも通りに読書やネットでの情報収集作業。
CIAのようなことをやっています。笑
ただし効率は今一つ。時間当たりの情報吸収量(インプット率)が低下気味。涙
これって、ひょっとすると環境が良すぎるせいかもしれません。
それで思い出したのが、10年ぐらいも前(だったか、それも定かではありませんが)、
TVで見た(TVだったかも記憶が定かでありませんが・・)、斉藤孝さんのこと。
それは、斉藤孝さんが、授業の一環(だったかな?)のワークショップで学生たちに
古本屋を散策させて、自分の好みのものを購入してきてもらい、それをその日のうち
に(だったかな)、感想を発表し合うということをやっておられたのです。
非常に記憶が曖昧なので全く間違っているかもしれません。
ひょっとして私の単なる妄想かもしれませんが、もしあったとしたら、こういった
形式の学習ワークショップも面白そうですね。
いつか試してみたい気がします。

さて、思い出したのはワークショップのことではなく、古本を探しているときに、
斉藤さんが言われていたことです。
それが妙に記憶として残っています。
古本屋ででもですが、普通の書店であっても、買うかどうかを判断しようと立ち読みをしている
瞬間の情報の収集力は半端ないのだと。
その時は、凄まじく集中している。
確かにそうです。
自分のお小遣いから出さないといけないとき、購入するかどうかを判断するため必死に
情報収集し、また必死に思考もめぐらしているでしょう。
最低のコストで、最大の効果を上げるような本を探索する行動をしているはずです。
周囲は騒がしい、しかも立ち読みという、読書という意味では劣悪な環境であっても、
ある条件(学習環境!?)がデザインされると、人はプレイフルな状況をとなり、高い効率で
読書をしていける。
プレイフルな状態がそこには作りだされている!

このことは、図書館のように静かで、じっくりと読めるという図書館のような環境が、いつでも
ベストというわけではないことを示してます。
読書は、騒々しくても可能なのです。
要するに、プレイフルな状況を生み出せればいいです。
プレイフルな状態を人工的に生み出す学習環境とはどういったものか、そのことを考える非常に
大切なことがこの例に示していると思います。
ひとつの発見です。
現在、ガリラボでは学習を指向したワークショップというのを考えていますが、この発見はひとつの
大事なヒントになりそうです。

読書に絡んでもうひとつ、別の話題を。
Facebookで佐賀県武雄市の市長さんがこんなことを書かれていることを知りました。
  武雄市役所の新人研修の際、唯一薦めた本。ぜひ、これだけは読んでほしいと願って
  います。
  なぜ、セブンイレブンだけが売れまくるのか、これは、行政のみならず、人に関係する
  ところにいる皆さんにとって、必読のバイブルだと思う。
  まあ、トップがあれだけ薦めて読んでいないとするならば、僕の求心力がないのか、
  少なくとも私が経営する組織には相応しくないことだと思うな。
  辛口なことを書きましたが、やっぱり、組織で伸びる人を見ていると、大概、かなりの本を
  読み込んでいる。
  NO BOOK, NO WORK.
市長さんが薦められているのは「売る力」という本です。
この書き込みの最後のところ「組織で伸びる人を見ていると、大概、かなりの本を読み込んで
いる」というのをゼミ生に紹介したくて引用しました。
「読書は苦手で」といった意味不明な言い訳はさっさと捨てて、本を読みながら、物事の
考え方について考えていきましょう。
家で読めないのであれば、必死で立ち読みをすればいいでしょう。
その際、読むだけでなく、考えてみるといい。その繰り返しが自分の未来を切り拓いていく
力となっていくでしょうから。
 

ついでながら、今日のCIA活動で知ったことをもうひとつだけ紹介しておきます。
田坂広志さんのブログで「言葉を使わず大切なメッセージを伝える力」というエントリーです。
そこに、
  世界のトップレベルの政治家は、スピーチが見事なだけではなく、
  その眼差し、表情、仕草、呼吸、沈黙、姿勢、歩き方などを最大限使って、
  大切なメッセージを伝えてくることである。
とあります。いくつかの例が紹介されていましたが、最後の例が秀逸です。
  こうした世界のトップリーダーの言葉を超えたメッセージを見るとき、
  かつて、米国の大統領選において、
  レーガン候補が、モンデール候補との討論において示した、
  巧みな表情と仕草を想い出す。
  モンデール候補が舌鋒鋭くレーガン候補の主張を論破した瞬間、
  レーガン候補が見せたのは、
  ただ、肩をすくめ、手を広げて微笑む仕草であった。
  しかし、そのたった一つの仕草だけで、
  レーガンは、最大の反撃を行った。
  なぜなら、その瞬間に、視聴者からは、
  モンデールが、好人物を攻撃する悪役のように映ったからである。
とりあえず私を含めゼミ生は言葉の訓練をすることが先ではあるでしょうが、ノンバーバルの
領域も念頭においておくといいかもしれません。
言葉は意識して訓練していけますけれど、たぶんノンバーバルなところは、人の生き方その
ものが表現されるところだと思っています。
他者への配慮などを日頃から実践していくことが上記のリーダーとしてのふるまい方につながって
いくのでしょう。
もっともそういった人たちだからこそリーダーになっているとも考えられます。
そういった人たちだからこそ、周囲から選出されていったのだろう思います。
言葉の巧みさだけの人物が周囲から信頼されていくことはないでしょうから。

----

昨晩、県立大学の同窓会に理事長以下、来賓として招待されました。
ゼミのコンパでも殆どらやりませんが、それがこんな場で乾杯の挨拶する羽目になりました。
(何故私だったのか、今でも謎です)
写真は、参加していたMOREのOBの飯田さんが送ってくれたものです。m(_ _)m

会場では、学長と理事長と私とで同窓会の会長さんと女子大1回生のOGをサンドイッチする
席順でした。1回生の方は齢84ほど。私の母よりご高齢でしたが、非常に知的で、魅力的な
方でした。
現在も消費問題を扱うNPO法人の理事であり、その関係の熊本県の協議会の顧問もされて
おられます。
現役時代も大変活躍をされてきた女性だったようですが、だから、この年齢になっても非常に
頭脳明晰。
また、高校の校長先生を最後に教師を退職されたOGの方ともお話ししました。退職後、ある
高校から強烈に勧誘され、現在また第1線に戻って仕事しているのだということでした。
こうした方々と話していると、大学を出てからこそたくさん学ばれて来られたように思いました。
当たり前ですが、学生時代の時間よりも、社会人となってからの時間の方が遥かに長い。
日々の仕事の繰り返しに終始し、学びを失ってはいけない。
先週の仕事の流儀に出演されたクレーン運転士さんがこういったことを言われていました:
  17年乗っていましても
  意外とやりだすと奥が深くて
  自分なりに課題を見つけて
  克服するっていう
  達成感みたいなものもありますし
  出来ることが見つけられなくなった時点で
  もうそれはただの単純作業になってしまうんで
  出来ることが見つけられなくなった時がゴール
  終わりでもあると思うんですけど
自分なりの課題を見つけて克服していくというのは自己の成長を遂げていくのに不可欠ですし、
仕事を発展させていくための基礎スキルだろうと思います。
学生時代に身につけた学びの力を社会人になって存分に活用していってほしい。
仕事を単純作業にしてしまい、学びからの逃走は避けましょう。

4月から私も新しい仕事をしています。
今は分からないことばかりで必死で追われてしまっていますが、そのうちに追い越して、
仕事の意味を考えながら、課題を見つけながら、それを克服していくことを2年間続けて
いきたいと思っています。

社会人になった10ゼミ生は、そしてそろそろ仕事に慣れて学びを失いかけている
卒業生たち、目の前の仕事を自分事化して課題を見出し、学びへと自分を導いていきましょう。
またそれは在学生も同様です。
学びに向かっているとき、勉強とは基本的に楽しい。
内的成長を与えてくれるものですから。
     
 

 

0 件のコメント:

コメントを投稿