2010年1月31日日曜日

脱皮できないヘビは・・・

情報化についての時代認識というテーマで菊陽町での講演の準備を今しがた終えました。
2時間の講演を2回行ってきます。

講演の最初にガリラボの活動紹介をします。
そこで「地域遺伝子」について少し触れようと思っていたら、山鹿豊前街道で出会った井口(いのくち)さんのことを思い出しました。
昨年、山鹿のフィールドワークに出かけたゼミ生およびKW塾の方たちはもちろん覚えていますよね。
ガリラボでは、おととしの卒論でも井口さんにはお世話になりました。
気さくに、豊前街道のことを色々とお話してくださった方ですよ。
米米総門ツアーの仕掛け人でもあります。

その井口さんが少し前の熊日新聞(2010/1/17)の人のコーナーで紹介されていたことをみなさん知ってましたか。
写真はちょっときつめに写っておられますが、実物はまったくそんな人ではないですね。
ジョークを交えた話し上手な楽しい方でした。


熊日新聞「人」のコーナー 2010/1/17 (後半省略)

菊陽の講演では地域資源に焦点を当て、地域遺伝子を見つけ出すようなことを話すつもりです。
地域内の色んな場所を見回して・・・と思っていたら、しかしよくよく考えると、地域の遺伝子ってそれは地域の方々の中に埋め込まれているわけです(おいおい、今頃そんなことを言ってるのかよ、と言われそうですが)。
記憶の中に視覚、聴覚、嗅覚などの風景(ランドスケープ、サウンドスケープ、匂いの景観)として埋め込まれているはずです。
だから、地域の具体的な場所だけでなく、地域の人々の中に遺伝子があって人間自体がそれを発現させる可能性を持った卵子なのだと改めて気付きました。
だから、3年生の矢部チームは地域の人々に対してその生活資源を言語(コトバ)として取り出すことに挑戦させたのでした。
場所と人とを切り離さず、その場所で生活を営む、場所に根を張っていることでその場所を表現している人間こそをしっかりと見ないといけない。
ちょっとうっかりしてました。

地域遺伝子を持っている卵子が見つかれば、それが何かと結合して受精卵へと転換できれば、あとは自律的に(ただし育つための全うな環境は必要ですが)成長をしていくのではないかと思います。
(ここは単に比喩的なのでほんとにそうかどうかは不明ですが・・・)

受精卵に転換させるための重要な役割を担っているのが「コミュニケーション(対話)」だというのが、私の仮説です。

ところで、生命とは異なり、地域の場合は受精卵の構造はちょっと複雑なようです。
アクターが少し多い。

1月26日に大原美術館の理事長さんが熊本で講演をされています。
そのことが翌日の熊日新聞に小さく掲載されていました。
それによれば、
 ①パブリックマインドを持った町衆(民間)
 ②NPOマインドを持った行政
 ③プロフェショナル
の存在が必要だとして、この3つのアクターが受精することで地方都市は活性化するのだと大原さんは話されたということでした。

ならば、ですね。

これらのアクターたちの受精のための場を提供する培地=コミュニケーションメディア(この場合は地域メディアでしょうが)、そういったものが必要ですね。
そういった場の構築ができているところとそうでないところで地域差が生まれるように思います。
それには様々な方法があるのでしょうが、ガリラボではそれをICTを活用しようとしてきました。
これまで活動してきた天草Webの駅などがその例です--大きな成果を出した活動でした。
(Webの駅はメインメンバー2名が卒業するので、今後ちょっと苦しい展開になりそうです。果たしてどうなるでしょうか)

ブログなので取りとめもなく、推敲することもなく色々と書きましたが、ともかく、地域メディアというものをターゲットにした研究は、今後もガリラボでは続けていきます。
みなさん、一緒に知恵を出し合ってやっていきましょう。

もうひとつ。
講演の準備で勉強している段階でこんなニーチェの言葉を知りました。

  脱皮できないヘビは滅びる

ニーチェはあまり読んでなかったので初めて聞く言葉でした。
あまり素晴らしい表現とは思えないものの、私は基本的にミーハーなので、有名人ニーチェの言葉ということで素直に講演では利用させてもらうことにしました。

上で紹介した井口さんとか、たぶん脱皮を繰り返してきた人ではないかと思います。

地域が活性化したいのであれば、内部にいるはずのあんな人を、血眼になって探し出すか、あるいは原石を見つけてそれを必死で育成しないといけない。
そう思います。 (キャンパス内で類似のことを私はやりたいと考えています)

人のこともですが、私を含め、ガリラボも脱皮を繰り返す努力をしていこうと思います。
ガリラボゼミ生のみなさん、脱皮を繰り返しつつ大人への階段を上って行きましょう。(^^)

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